美容院でカット失敗したら?お直しの頼み方【美容師本音】

「前髪はサイドを長めに、とちゃんと伝えたのに、こめかみの近くまで切られてしまった」
「軽やかにとお願いしたのに、鏡に映っていたのはきのこみたいなシルエットだった」

この髪型、リセットしたい。でも、美容室に行くのがもう怖い…

そんな声を見かけて、この記事を書こうと決めました。ショートの失敗は、隠しようがないぶん本当につらいですよね。帽子でもごまかしきれないし、鏡を見るたびに気持ちが沈む。

こういうことが続くと、「私はもう美容室難民かもしれない」と思ってしまいますよね。その気持ちのまま読んでいただいて大丈夫です。

この記事では、美容院でのお直しの頼み方や期間・料金のこと、そして「3ヶ月伸ばすしかないのかな」という不安についてお答えします。

まず伝えたいこと:それは、あなたの伝え方のせいじゃありません

先に、いちばん言いたいことを書きます。

カットが思っていたものと違ったとき、多くの方が「私の頼み方が悪かったのかな」と自分を責めます。

でも、ちがうんです。

「サイドは長めに」「軽やかに」。これは、じゅうぶん具体的な言葉です。伝わるはずの言葉を、あなたはちゃんと言葉にしていた。そこは疑わなくていいところです。

同じ言葉でも、思い浮かべている長さが違うことがあります

ではなぜズレるのか。理由のひとつは、言葉が持っている幅です。

たとえば「長め」。お客様が思う長めが耳の隠れる長さで、美容師が思う長めが耳たぶにかかる長さだったら、それだけで数センチずれます。

「軽く」も同じです。毛先を少しすくことを指す人もいれば、内側を大きく削ぐことを指す人もいます。

どちらが間違いというわけではなく、頭の中の映像が違うだけ。そして、その映像がそろっているかを確かめるのは、お客様ではなく美容師側の仕事です。

AMI

「長めに」と言われたら、指で「このあたりですか?」と実際に見せて確認する。本来はそこまでやるべきことなんです。

これは、誰かを責める話ではありません

とはいえ、この記事で特定の美容師さんを悪者にするつもりはありません。私も現場にいる人間なので、その日の混み具合など、いろいろな事情が重なることも知っています。

それに、実際に何が起きたのかは、その場にいた二人にしか分かりません。ここでは「誰が悪いか」ではなく「これからどうするか」だけを考えていきましょう。

目次

美容院でお直しを頼むのは、迷惑ですか?【美容師の本音】

いちばん気になるのは、たぶんここですよね。「文句を言うみたいで気が引ける」「クレーマーだと思われたくない」。その気持ち、すごくよく分かります。

「言ってもらえたほうが助かる」という美容師は多いです

AMI

少しも迷惑ではありません。「やっぱりもう少し短くしたい」とお直しのご依頼を受けることはあります。信頼からお願いしていただけることだと思うので、カット後1週間以内であれば、喜んで直させていただきます。

ただし、線引きはあります。

「もっと短くしたい」など大幅なスタイルチェンジは、お直しではなく通常のカット料金になります。「直してほしい」と「イメージを変えたい」は別、ということです。

もちろん受け止め方は人それぞれです。

ただ、「頼んだら嫌われる」というほど特別なことではないとだけは知っておいてください。

お直しは、多くのサロンで日常的に起きていることです。

言いにくいときの、最初の一言

何と切り出すか。難しく考えなくて大丈夫です。相手を責める言葉は使わず、事実と、困っていることだけを伝えれば十分です。

先日カットしていただいた○○です。仕上がりのことで少し相談したいのですが、一度見ていただくことはできますか。

すみません、家で乾かしてみたら前髪が思っていたより短くて、気になっています。お直しをお願いできますか。

「思っていたより」「気になっています」という言い方なら、角が立ちません。

原因を追及する必要もありません。あなたが伝えたいのは「困っている」ということだけですから。

連絡の手段は、電話でもLINEでもかまわないというお店が多いようです。ただ、髪の状態を見ないと判断できないことが多いので、写真を送れるLINEや予約アプリのメッセージだと話が早く進みやすいです。

美容院のお直しの基本【いつまで・いくらかかる?】

ここからは制度の話です。ただ、先にはっきり書いておきます。お直しのルールは、お店によってかなり違います。以下はあくまで相場です。

期間の目安は「1週間〜10日」。ただし店によります

多くのサロンが、施術から1週間〜10日を目安にしています。短いところで3日、長いところで2週間としているお店もあります。

共通しているのは、早いほど話が早いということ。

時間が経つと髪も伸びて、どこをどう切られたのか分からなくなります。迷うくらいなら、気づいた日に連絡してしまうのがいちばんです。

AMI

施術メニューにもよりますが、1週間以内にまず一度ご連絡いただきたいです。施術後1週間〜10日以内の再来店が、お直しできる期間になります。難しいようならご相談のうえ、来られる日をご予約いただくこともあります。

無料になるケース/有料になるケース

無料になりやすい左右の長さが違う、明らかな切り残しなど、誰が見ても分かる不具合
有料になりやすい「やっぱりもっと短くしたい」など、施術後に別のイメージへ変えたい場合
判断が分かれる「頼んだイメージと違う」場合。お店の考え方で対応が変わります

いちばん多いのは、三番目です。料金が気になるときは、予約の段階で「お直しの場合、費用はかかりますか」と聞いておくと、当日しこりが残りません。

他のお店で切った髪も、直してもらえる?

直してもらえることは多いです。ただし多くの場合、「お直し」ではなく通常のカットとして料金がかかります。他店の失敗直しを得意としているサロンもあれば、お断りしているサロンもあります。

AMI

切ってすぐだと直すのが難しい場合もありますが、迷惑ではありません。むしろ、頼っていただけるのは嬉しいです。同じお店なら無料で直せるところを、わざわざ探して、有料でもお願いしてくださる。それは光栄なことだと思っています。

予約するときは、何と言えばいい?

「お直し」という専用メニューがあるお店は、まだ少数派です。予約アプリのメモ欄に「先日のカットのお直しを希望します」と書くか、電話で直接伝えるのが確実です。

「3ヶ月伸ばすしかない」って、本当ですか?

失敗したとき、多くの方がこう考えます。

「もう伸びるのを待つしかない」「3ヶ月伸ばして、切り直しから始めないと」。

ここについて、美容師として正直にお答えします。

待つしかない部分は、たしかにあります

まず、切った髪は戻りません。短くなりすぎた前髪や、削ぎすぎてしまった部分は、伸びるのを待つ以外に方法がないのが本当のところです。ここをごまかすつもりはありません。

AMI

正直にお答えすると、本当に「伸ばしてから」になることはあります。たとえばパーマを無くしたい、ブリーチで傷んだ毛先をリセットしたい。そういうときは、切ってしまうと長さが足りないことがあるんです。

その場合は「ある程度伸ばしてからでないと難しい」と、こちらからご相談させていただきます。できないことを「できます」と言うほうが、よほど不誠実だからです。

でも、待つかどうかは「見てから」決めても遅くありません

ただ、最初から「3ヶ月待つ」と決めてしまう必要はありません。

髪型の印象は、いちばん短い部分だけで決まるわけではありません。

周りの長さとのつながり、毛先の重さ、分け目の位置。

このあたりを1センチ以内で整えるだけで、きのこに見えていたシルエットが落ち着くことは実際にあります。長さはほとんど変えずに、輪郭だけ変えるイメージです。

ただし、これは実際に見てみないと分かりません。髪の状態も、やりたいスタイルも、人によってまったく違うからです。

3ヶ月待つと決めてしまう前に、一度だけ誰かに見てもらう。そのうえで「待ったほうがいい」と言われたなら、そこから待てばいいんです。確かめてからでも遅くありません。

次のお店に行くなら、これだけ持っていってください

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

持っていくのは「やりたかった写真」と「今の状態」の2枚

次のお店へ行くとき、なりたい髪型の写真を持っていく方は多いと思います。それはとても良いことです。そのうえで、もう1枚持っていってほしいものがあります。

今の、うまくいかなかったと感じている状態の写真です。

自分でも見たくないものを撮って、しかも人に見せる。抵抗があるのは当然です。でもこれは、美容師にとっていちばんありがたい情報なんです。

なぜ、言葉より写真のほうが伝わるのか

理由はシンプルで、「避けたいもの」がひと目で伝わるからです。

「軽やかにしたい」と言われれば、美容師は自分の中の軽やかさで受け取ります。でも写真を見せて「前回はこうなりました。これは避けたいです」と言われたら、解釈のしようがありません。ズレようがないんです。

できれば正面だけでなく、横と後ろも。スマホで撮れる範囲でかまいません。気になっている部分を指で示した写真があれば、さらに助かります。

AMI

写真のほかに、気に入らない部分、おうちでのスタイリングでやりにくいところ、同じところにつくクセなども、可能な範囲で伝えていただけるとありがたいです。

そして、写真を見せることは前のお店の悪口を言うことではありません。「こうなった」という事実を共有するだけです。安心して見せてください。

同じお店に戻る? それとも、別のお店に行く?

どちらが正解ということはありません。向き不向きで選んで大丈夫です。

同じお店が向いている何をどう切ったかを分かっている/無料または割安で直せる可能性がある/通いやすい
別のお店が向いている顔を合わせるのがつらい/信頼できなくなってしまった/また同じ結果になりそうで不安

「まずは同じお店に相談を」と書いてある記事は多いですが、私はそこまで言い切らなくていいと思っています。もう一度あの椅子に座るのがつらい、という気持ちは、じゅうぶん理由になります。

無理に戻らなくて大丈夫です。

お店は同じで、担当だけ変えるという選び方もあります。予約のときに「別の方にお願いしたいです」と伝えれば、対応しているお店が多いようです。

担当を変えるときの言い方は、美容師がそっと教える|担当変更で「角が立たない」伝え方にまとめています。

お直しの施術中、気まずくならないか心配になりますよね。美容師のほうも「今日はきちんと直そう」と気持ちを切り替えて臨んでいることが多いので、必要以上に気をつかわなくて大丈夫です。

それでも「美容室に行くのが怖い」と感じたら

ここまで読んで、それでも足が向かない。そういう日もあると思います。

そのときは、今日は行かなくていいです。

予約の画面を開いて手が止まるなら、それは気持ちがまだ回復していないサインです。髪は毎日伸びていて、待っているあいだにも状況は変わります。焦って決めることは、ひとつもありません。

ただ、ひとつだけ。怖いのは「また同じことが起きるかもしれない」からであって、あなたが不器用だからではありません。それだけは、覚えておいてください。

AMI

髪は必ず伸びます。今がいちばん苦しいところです。

次のお店を探すときは、技術より先に「話しやすいかどうか」を見てみてください。話しやすい美容師の相性チェックリストが、その目安になると思います。

まとめ

  • あなたの伝え方が悪かったわけではありません。「長めに」「軽やかに」は、じゅうぶん具体的な言葉です
  • お直しを頼むのは、特別なことではありません。「思っていたより短くて気になっています」で十分伝わります
  • 期間の目安は1週間〜10日が多いですが、ルールは店によって違います。早く連絡するほど話が早くなります
  • 「3ヶ月伸ばすしかない」とは限りません。全体を整えるだけで印象が変わることも。ただし見てみないと分かりません
  • 次のお店には「今の失敗した状態」の写真を。言葉より確実に「これは避けたい」が伝わります

そして、また美容室に行けそうだと思えたとき。次はもっと気持ちよく話せるように、お守りのつもりでヒントを置いておきますね。

初めての美容室で失敗しないオーダーのコツをのぞいてみてください。

今日のあなたに必要なものではありません。元気が戻ってからで、じゅうぶん間に合います。

あわせて読みたい記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

美容師歴15年のスタイリスト。美容室で働きながら、髪や頭皮の悩み、サロンでの"気まずさ"についてコラムを書いています。「もっと気軽に美容室に行けたらいいのに」という思いで、美容師の本音をそのままお伝えします。メイク・ヘアメイク・ファッションコーデも。

目次