美容院で指名しないのは失礼?誰が担当するかも美容師が解説

「美容院を予約するとき、指名しないのって失礼かな…」

「指名なしだと、誰が担当してくれるんだろう?」

「新人さんに回されて、ハズレを引いたらどうしよう…」

予約画面の「指名なし」を選ぶとき、いつもちょっとだけ迷っちゃう…

予約画面で指を止めてしまった経験、ありませんか。誰かに聞くほどのことでもないけれど、なんとなく引っかかる。そういう小さな不安って、意外と消えないんですよね。

この記事では、「美容院で指名しないのは失礼なのか」という疑問に、まず最初にはっきりお答えします。そのうえで、指名なしのときに誰が担当するのかという仕組みや、美容師側の本音もまとめました。そして「この人がいい」と思ったときの伝え方まで、この1記事でわかります。

目次

結論:美容院で指名しないのは、まったく失礼ではありません

先に答えを言ってしまいますね。指名しないことは、失礼でも迷惑でもありません。

AMI

本当に、まったく問題ないですよ。私たち美容師は「指名なしの人」という枠でお客様を分けて見たりしていません。今日いらっしゃるお客様、というだけです。

そもそもサロン側は、指名なしのご予約が入ることを前提に予約表を組んでいます。「指名なしOK」という枠を用意しているのはお店のほうなんです。お店が用意した選択肢を選んだだけで失礼になる、ということはありえません。

それに、指名しない人はぜんぜん少数派ではないんです。

特に初めて行く美容院で指名しないのは、ごく自然なことです。

会ったこともない人の中から一人を選べと言われても、正直むずかしいですよね。新規のお客様は指名なしのほうが多いくらいです。

美容院で指名しないと、誰が担当するの?【担当の決め方】

不安の正体は、たぶんここです。「失礼かどうか」よりも、「誰が来るのか分からない」ことが落ち着かないのだと思います。仕組みが分かれば、だいぶ気持ちがラクになりますよ。

その日の予約状況で決まることが多いです

いちばん多いのは、その時間に手が空いているスタッフが担当するというパターンです。予約表を見ながら、お店側が前日〜当日に割り振っていきます。

ここで知っておいてほしいのは、これが「適当に決めている」わけではないということ。ご予約時のメニューやご要望のメモを見て、「この内容ならこの人が得意だな」と考えながら組んでいるサロンがほとんどです。

AMI

基本は空き状況で決まります。なのでベテランが担当することもふつうにあります。お店の規模によっては、新人を優先して入れているところもあるかもしれませんね。

サロンによって仕組みはかなり違います

ここは正直にお伝えしておきますね。担当の決め方に、業界共通のルールはありません。お店の規模やスタッフ数によって、かなりばらつきがあります。

お店のタイプよくある決まり方
スタッフが多い大型店・チェーン店その時間に空いている人。順番で回していることも
スタッフが少ない個人サロンそもそも出勤している人が1〜2人なので、自動的に決まる
ランク制のあるサロンご予約したコースのランク内で割り振られる

小さなサロンだと、そもそも指名という考え方があまり無いお店もあります。「指名なしで予約したのに、行ってみたら選びようがなかった」というのは、こういう場合ですね。

「指名なし=ハズレ」って本当?新人ばかりが担当するの?

ここが、いちばん聞かれることかもしれません。「指名しないと、経験の浅い人に回されるんでしょ?」というイメージ、たしかに広まっています。

AMI

「指名なし=新人」ではありません。担当は空き状況で決まるので、ベテランが入ることもふつうにあります。

お店側の事情を明かすと、指名なしのお客様こそ「次につながるかどうかの分かれ道」です。ここで満足していただければ、次から指名してもらえるかもしれない。だから、雑に扱う理由がそもそも無いんですよね。

とはいえ、お店の規模によっては新人を優先して入れているところもあるかもしれません。ここは本当にお店ごとなので、言い切れる部分ではありません。気になる場合は、後半の「やっておくと安心な5つのこと」で対処法をお伝えしますね。

とはいえ、「どうしても経験の長い人にお願いしたい」という気持ちもよく分かります。その場合の対処法は、後半の「やっておくと安心な5つのこと」でお伝えしますね。

指名あり・指名なし、それぞれのメリットとデメリット

どちらが正解ということはありません。合うほうを選べばいいだけです。並べて見てみましょう。

指名する指名しない
いいところ技術も接客も分かっている安心感/髪の履歴を覚えてもらえる/同じ仕上がりを再現しやすい指名料がかからない/予約が取りやすい/いろんな美容師と出会える/合わなくても次から変えやすい
気をつけたいところ人気の人は予約が取りにくい/指名料がかかる場合がある/担当を変えたくなったとき言い出しにくい毎回同じ人とは限らない/髪の履歴を一から説明することがある/担当によって得意分野が違う
向いている人髪型にこだわりが強い/毎回同じスタイルにしたい/過去に失敗した経験がある初めて行くサロン/まだお気に入りが決まっていない/気軽に通いたい

ざっくり言うと、「安定を取るなら指名あり」「身軽さを取るなら指名なし」です。

指名しないことの隠れた利点として、合わなかったときに気をつかわずに済むという点があります。一度指名してしまうと、変えたくなったときに言い出しにくいんですよね。その気持ちは私もよく分かります(そのときの伝え方は、担当変更で角が立たない伝え方でくわしく書いています)。

美容師は「指名なしのお客様」を本当はどう思っている?

ここが、この記事でいちばんお伝えしたかったところです。ネットには経営者目線の記事は多いのですが、一人のスタイリストとしてどう感じているかは、あまり語られていない気がしています。

AMI

正直にお答えすると、私は特別なにかを感じることはありません。それより、その方がどういう方で、好みは何で、どんなスタイルが似合うか。そちらを考えています。

拍子抜けされたかもしれません。でも、これが正直なところです。

「指名がある人/ない人」で気持ちを切り替えている、ということがそもそも無いんです。目の前にいる方をどう仕上げるか、そこだけを見ています。

もちろん、気をつかう部分もあります。髪の履歴が分からないことです。前にどんな薬剤を使ったか、いつ縮毛矯正をかけたか。そういう情報が無い状態からのスタートなので、カウンセリングでていねいに伺うぶん、最初に少し時間をいただくことになります。

AMI

なので「指名がないから気合いが入らない」ということは無いです。考えることは、指名のあるお客様とまったく同じですね。

逆に、指名なしのお客様が気にしなくていいことも書いておきますね。

  • 「指名しなくてすみません」と謝る必要はありません…こちらは何とも思っていませんよ^^
  • 次回また指名なしで来ても、何も変わりません…毎回指名なしの常連さん、たくさんいらっしゃいます!
  • 前回と違う人が担当しても、気まずくなりません…カルテは基本的に共有されているので、前回の内容は引き継がれます。(詳しくは次の項目で)

カルテは共有されています。だから引き継がれます

「前回と違う人になったら、また一から説明?」という心配、これはしなくて大丈夫です。

AMI

カルテは基本的に共有しています。担当が変わっても、クセや好きなスタイル、前回までの履歴はしっかり残っています

薬剤の履歴、クセの出方、好みの長さ。技術に関わる情報は、お店の共有財産として残っているんです。だから「毎回ゼロから」にはなりません。

ただ、ここから先は少しちがう話になります。

AMI

私の場合は、プライベートなお話やご家族のことなど、「私だから話してくださったこと」は、個人的にメモして残しています

ここが、指名する・しないのいちばん大きな違いかもしれません。

髪の情報はお店で共有されます。でも「あのとき話していたお子さんの受験、どうなりましたか」みたいな会話は、その人が覚えていないと出てきません。指名で積み重なっていくのは、そういう部分です。

指名料って、何に対するお金なの?

意外と説明されていないのが、この話です。「指名すると数百円〜数千円プラスされるけど、これって何のお金なんだろう?」と思ったことはありませんか。

ざっくり言うと、指名料は「美容師個人を選んだこと」に対するお金です。技術のグレードアップ料金ではありません。カットの内容そのものは、指名してもしなくても同じです。

お店側から見ると、指名料はその美容師の頑張りを評価するための仕組みでもあります。サロンによって仕組みは異なりますが、指名料の一部がその美容師の給与に反映されるお店が多いです。「あなたを選んで来ました」という気持ちが、目に見える形になったもの、と考えていただくと分かりやすいかもしれません。

ただ、これもお店によってまったく違います。そもそも指名料を設けていないサロンもあります。

ちなみに、私の以前働いていたサロンは指名料をいただいていません

AMI

私が以前働いていたサロンでは、指名料はいただいていません。アットホームな雰囲気で、長く担当させていただいて、しっかりメンテナンスしていきたいので。

指名料を取る・取らないは、そのお店がどんな関係をお客様と築きたいかの表れでもあります。どちらが良い悪いではありません。

予約サイトのメニュー欄に書かれていることが多いので、気になる方は予約前にのぞいてみてくださいね。

では、指名すると実際に何が変わるの?

お金の話より、こちらのほうが大事かもしれません。

AMI

同じ人が担当すると、髪のクセを覚えていくんです。だから次回、その次と、どんどん良いスタイルをご提案できる可能性が高くなります。あと、来ていただく周期も安定してきますね。

ここが、指名のいちばんの意味だと思います。1回の仕上がりではなく、2回目・3回目が良くなっていく。クセの出方も、伸びるスピードも、その人の生活リズムも、少しずつ分かってくるからです。

逆に言えば、指名料を払わない=サービスの質が下がる、ということではありません。1回ごとの技術は変わらないので、そこは安心してください。

指名なしで「この人がいい」と思ったら?【次回からの伝え方】

指名しない予約のいちばんの醍醐味は、ここだと思っています。お試しのつもりで行って、「あ、この人合うかも」と思える出会いがあること。

そう思ったら、まずその場で名前を確認しておきましょう。お会計のときに名刺をもらえることも多いですし、なければひとこと聞けば大丈夫です。

▼帰り際に、名前を聞くとき

すごく気に入ったので、次もお願いしたいのですが、お名前を伺ってもいいですか?

AMI

これを言われると、正直めちゃくちゃ嬉しいです。美容師をやっていてよかったと思う瞬間のひとつですね!

▼次回の予約を、その場で取るとき

次回から〇〇さんにお願いしたいのですが、指名で予約できますか?

▼あとから電話・ネット予約で伝えるとき

前回、指名なしで伺った〇〇です。そのとき担当してくださった〇〇さんを、次回は指名でお願いできますか?

名前を覚えていなくても大丈夫です。「先月の〇日ごろに伺った〇〇です。そのとき担当してくださった方をお願いできますか」で伝わります。予約の記録が残っているので、お店側で調べられます。

AMI

言い方に決まりはありません。どんな形でも、そう言っていただけたら単純にうれしいですよ。

反対に、「今回の人はちょっと合わなかったな」というときも、指名なしなら何も言わずに次へ進めます。これは指名なしの大きな利点です。

もしすでに指名していて変えたくなった、という方は、美容師がそっと教える|担当変更で「角が立たない」伝え方をどうぞ。当サイトでいちばん読まれている記事です。

美容院で指名しないとき、やっておくと安心な5つのこと

「失礼じゃない」と分かっても、満足度を上げる工夫はあります。難しいことは何ひとつありません。

① スタッフ紹介をざっと見ておく

多くのサロンが、予約サイトやインスタグラムにスタッフの紹介を載せています。指名しない場合でも、どんな人がいるお店なのかを2〜3分見ておくだけで、当日の心の準備がずいぶん変わります。

気になる人がいたら、予約時の要望欄に「指名なしですが、もし可能なら〇〇さんにお願いしたいです」と書いてもまったく問題ありません。空いていれば通ることも多いですよ。

② 「スタイリスト以上で」と伝えてもいい

経験の長い人にお願いしたい場合は、遠慮せずに伝えて大丈夫です。

指名は特にないのですが、できればスタイリスト以上の方にお願いできますか?

失礼にはなりません。ランク制を設けているサロンなら、こうした希望に慣れています。ただし混雑している時間帯は応えられないこともあるので、予約の段階で伝えておくのがコツです。

③ カウンセリングでは、写真を1枚見せる

指名なしということは、担当は初対面。だからこそ最初のカウンセリングが大事になります。言葉より写真が1枚あるほうが、圧倒的に伝わります。

「こうしたい」だけでなく、「これは避けたい」も一緒に伝えるのがポイントです。「前髪は絶対に切りたくない」「重く見えるのは苦手」など。この2つがそろうと、仕上がりのズレはぐっと減ります。

AMI

それを聞き出すのも美容師の仕事なので、うまく話せなくても大丈夫。写真を見せてもらえれば、あとはこちらから質問していきます。

うまく伝えられるか不安な方は、美容室で緊張しがちな人のオーダー術も参考にしてみてください。

④ 混雑する時間帯を少しずらす

土日の午後など、いちばん混み合う時間はどうしてもお店全体がバタつきます。平日の昼間や、開店直後の時間帯を選べると、落ち着いた雰囲気の中で見てもらいやすくなります。

スケジュールに融通がきく方だけの話にはなりますが、覚えておくと使える小ワザです。

⑤ 「静かに過ごしたい」など、接客の好みも伝えていい

指名しないということは、接客のテンポが自分に合うかどうかも、当日までわからないということ。おしゃべりが好きな人もいれば、静かに過ごしたい人もいますよね。

「あまりお話しせず、静かに過ごしたいです」と伝えても、まったく失礼にはあたりません。むしろ最初に一言そえてもらえたほうが、こちらも安心してその時間をつくれます。

AMI

遠慮しなくて大丈夫です。「今日は静かに過ごしたい気分で」でも十分伝わりますよ。

よくある質問Q&A

Q. 毎回ずっと指名しないのは、さすがに失礼ですか?

失礼ではありません。毎回指名なしで通っている常連さん、本当にたくさんいらっしゃいます。「そういう通い方の人」として、ごく普通に受け止めていますよ。

Q. 指名なしだと、毎回同じ人になりますか?

お店によります。スタッフが少ないサロンなら結果的に同じ人になりますし、大型店なら毎回変わることもあります。「前回と同じ方でお願いします」と伝えれば、対応してもらえることが多いです。

Q. 担当してくれた人が合わなかったら、次はどうすれば?

また指名なしで予約すれば大丈夫です。何も言わなくてかまいません。指名していないぶん、こういうときに身軽なのが最大の利点ですから。

Q. 「指名なし」と「おまかせ」は同じ意味ですか?

予約サイトでは同じ意味で使われていることが多いです。ただし「おまかせ」がヘアスタイルのおまかせを指す場合もあるので、迷ったら備考欄に「担当はおまかせでお願いします」と書いておくと確実です。

Q. 前回と同じ髪型にしたいのに、担当が変わってしまいました

ほとんどのサロンで、前回の施術内容はカルテとしてお店に残っています。「前回と同じで」と伝えれば記録を見て対応できますし、前回の仕上がりの写真をスマホに残しておくと、さらに伝わりやすくなります。

Q. 男性でも指名なしは普通ですか?

まったく普通です。むしろ男性のほうが指名しない方の割合は高い印象があります。気にしなくて大丈夫ですよ。

まとめ:指名しないことに、うしろめたさはいりません

  • 美容院で指名しないのは、失礼でも迷惑でもありません。ある調査では指名しない派が36.5%。少数派ですらありません
  • 指名なしの担当は、その日の予約状況とメニューを見てお店が決めています。適当に割り振っているわけではありません
  • 「指名なし=新人・ハズレ」とは限りません。経験の浅いスタッフには先輩のチェックが入る仕組みのお店がほとんどです
  • 指名料は「その人を選んだこと」への対価。払わないから技術が落ちる、ということはありません
  • 合う人に出会えたら、「次回から〇〇さんにお願いしたいのですが」の一言だけ。それだけで指名に切り替えられます
AMI

指名しないことは、「まだ決めていない」というだけのこと。いろんな美容師と出会えるチャンスだと思って、気楽に予約してみてくださいね。

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この記事を書いた人

美容師歴15年のスタイリスト。美容室で働きながら、髪や頭皮の悩み、サロンでの"気まずさ"についてコラムを書いています。「もっと気軽に美容室に行けたらいいのに」という思いで、美容師の本音をそのままお伝えします。メイク・ヘアメイク・ファッションコーデも。

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